一般内科

内科一般

内科では、身体のちょっとした不調から慢性疾患のコントロールまで、日常的な症状や疾患の診療をしています。呼吸器、循環器、消化器、泌尿器、内分泌や血液など、幅広く対応していますので、気になる症状がありましたらお気軽にいらしてください。
ここでは内科受診でご相談が多い、アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法、熱がある際の見極めポイント、生活習慣病についてご説明します。

アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法について

当院では、アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法を行っています。舌下免疫療法は、アレルゲン免疫療法の1種です。アレルゲン免疫療法は、症状の改善とその効果の持続が期待できる治療法であり、喘息をはじめとした他のアレルギー性疾患を発症しにくくする効果と新たなアレルゲンに対する感作予防の可能性が指摘されています。従来の注射によるアレルゲン免疫療法に比べて、舌下免疫療法は痛みがなく、頻回の通院も必要なく、重篤な副作用の報告が少ないなど安全性が高いことから注目されています。
現在はスギ、ダニの舌下免疫療法が行われており、血液検査でダニやスギのアレルギーがあることを確認した上で舌下免疫療法が可能になります。

舌下免疫療法に関するご注意

即効性はありません

効果を実感できるまでに2年以上の治療期間が必要です。また、全ての方に効果があるわけではなく、効果を得られない可能性があります。さらに、治療効果があるかどうかを事前に知ることはできません。

アナフィラキシーショックを起こす可能性

安全性が高い治療法ですが、アレルゲンを体内に入れるためアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。医師に指示された通りに使用することが不可欠であり、説明を受けて十分にご理解いただいた上で治療を開始する必要があります。

初回投与はクリニック内で

初回投与は、クリニック内で行い、その後30分間院内で過ごして様子を確認します。翌日以降の投与はご自宅で可能です。

舌下免疫療法の開始時期

スギ花粉の舌下免疫療法は、副作用が強く出る可能性があるため花粉の飛散時期にスタートすることはできません。そのため、治療開始時期は、6~12月となります。いったん適切な時期に治療を開始したら、花粉飛散時期にも治療を続けます。なお、ダニの舌下免疫療法はいつでもはじめることができます。

舌下免疫療法が受けられないケースもあります

5歳未満・65歳以上、重度の気管支喘息・がん・免疫系疾患がある、治療開始時点で妊娠されている、免疫療法で強い副作用が現れたことがあるなどの場合や、医師が適切ではないと判断したケースでは舌下免疫療法を行うことはできません。

発熱について

発熱について平熱には個人差がありますので、普段の平熱を知っておくと参考になります。1日のうちでも体温は変化し、周期的にも変わります。その変化の幅も確認しておきましょう。
統計的には37度よりやや下が平熱とされていて、感染症法では発熱を37.5度以上、高熱を38度以上としています。熱が出るのは、感染などによるものと、熱中症(日射病)などによるものに大きく分けられます。熱中症では熱が42度以上になる可能性があり、緊急に熱を下げる治療が必要となるため、医療機関を受診してください。
感染などによる発熱の場合、症状の現れ方などによってある程度、可能性のある疾患を絞ることができます。急激に熱が上がった・階段状に熱が上がっていった・微熱と高熱を繰り返す・微熱が続くなど、受診の際には症状の詳しい内容を医師に伝えてください。
熱が続く場合、微熱でも重大な病気が原因になっていることがあります。また、感染症の場合は感染を広げてしまう可能性がありますので、早めに受診して原因を確かめ、適切な治療を受けてください。

風邪とインフルエンザ

どちらもウイルスが原因となって発熱する疾患ですが、インフルエンザはインフルエンザウイルスによって発症し、一般的に風邪よりも重い症状を起こします。風邪はライノウイルス・アデノウイルス・コロナウイルスなど200種類以上のウイルスが原因となって発症します。

風邪

原因になったウイルスによって症状の内容や程度が異なりますが、くしゃみ、咳、発熱、のどの痛み、鼻水、鼻づまりなどを起こすことが多くなっています。風邪によって免疫力が落ちていると細菌による二次感染を起こし、気管支炎や肺炎などを合併することがあります。また、幼い子どもは風邪の後で中耳炎を発症しやすいため、熱が下がってからもしっかり様子を確認し、聞こえの問題や耳を頻繁に触るなどがあったら早めに受診してください。
風邪は症状を緩和する治療こそ可能ですが、根本的に治すのはご自分の自然治癒力です。しっかり休養して、保温を心がけ、消化の良いものを食べてください。また、予防のためには、こまめなうがいと手洗い、質の良い睡眠、栄養バランスのとれた食事が重要です。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスは毎年変化して冬期に流行を起こします。インフルエンザワクチンは流行する型を予想して作られており、接種後2週間程度経過すると効果が現れはじめ、5ヶ月ほど効果が持続します。こうしたことから、予防注射は毎年12月半ばまでに受けておくことをおすすめしています。感染自体を100%予防できるわけではありませんが、かかってしまった場合の重症化予防にも役立ちます。

生活習慣病について

動脈硬化を発症・進行させて脳梗塞などの脳血管障害や狭心症・心筋梗塞の発症リスクを高めてしまう疾患で、発症に生活習慣が大きく関わっています。代表的な生活習慣病には、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、痛風(高尿酸血症)などがあります。栄養バランスのとれた食事、運動の習慣化などの生活習慣の改善が治療には不可欠です。

高血圧

血圧は血管にかかる血液の圧力のことで、血圧計で血圧を測ると2種類の数字が表示されます。この数字は、心臓が収縮した際の最高血圧である収縮期血圧、心臓が拡張した際の最低血圧である拡張期血圧です。血圧は運動やストレスなどによって大きく変化するため、クリニックで測った診察室血圧よりもご自宅で安静時に測った家庭血圧の方が正確とされています。高血圧は、家庭血圧が135mmHg・85mmHg、診察室血圧が140mmHg・90mmHg以上とされていますが、1回この数値が出たから高血圧症と診断されるのではなく、持続的に高い血圧が続いていることが確認されてはじめて診断されます。
血圧が高い状態が続くと血管に大きな負担がかかり続けるため、動脈硬化の発症・進行を促進してしまいます。これによって、脳出血、脳梗塞、大動脈瘤、心筋梗塞などを引き起こすリスクが高まり、特に脳出血は高血圧が最大のリスク要因であるとされています。
高血圧は疾患や服用している薬剤の影響で発症することもありますが、ほとんどの場合は生活習慣が発症に関与しています。過剰な塩分摂取、アルコール、喫煙、運動不足、肥満、ストレス、食生活など、ふだんの生活習慣を見直して、適切な血圧を保てるようコントロールすることが重要です。

脂質異常症(高脂血症)

血液中に含まれる脂質の量が過剰な状態で、悪玉コレステロールや中性脂肪が多い高脂血症に加え、血液中の余分な脂質を回収する役割を担っている善玉コレステロールが基準値以下の場合も含めて脂質異常症とされています。悪玉(LDL)コレステロールが140mg/dl以上、善玉(HDL)コレステロールが40mg/dl未満、中性脂肪が150mg/dl以上に該当した場合に脂質異常症と診断されます。
自覚症状なく進行するため、定期的な健康診断でしっかりチェックすることが重要です。動脈硬化の発症や進行に大きく関わっており、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞などの脳血管障害を起こすリスクが上昇してしまうため、早期の適切な治療が不可欠です。原因には偏った食生活や運動不足などの生活習慣が大きく関与しているため、治療には食事療法と運動療法が重要になってきます。また、女性は閉経など女性ホルモンが減少すると脂質異常を発症しやすくなるため注意が必要です。

糖尿病

糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンが不足、またはその働きが弱くなって、血糖値の高い状態が続く疾患です。膵臓の細胞が壊れて生じる1型、生活習慣などによって発症する2型に分けられます。血糖値が高い状態が続くと動脈硬化を進行させるたけでなく、身体中の毛細血管にも大きなダメージを与え続けます。動脈硬化による脳梗塞など脳血管障害や心筋梗塞、そして合併症により失明や足の壊死、腎不全などを生じる可能性があります。
空腹時と食後2時間の血糖値を計測する検査を行い、空腹時126mg/dl、食後2時間200mg/dlを片方でも超えた場合には糖尿病型とされ、別日に行った検査でも糖尿病型とされると糖尿病という確定診断がされます。また血液検査でグリコヘモグロビン(HbA1c)を調べることで、約2か月間の血糖値の平均値がわかります。
早期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行するとのどの渇き、飲水量や尿量の増加、体重減少、倦怠感などを起こします。早期に適切な治療を開始することが重要ですから、健康診断で異常を指摘されたら早めに受診してください。食事や運動といった生活習慣の改善、薬物療法、そしてインスリン注射などで適切に血糖値をコントロールしていきましょう。

痛風(高尿酸血症)

痛風(高尿酸血症)痛風は血液中の尿酸値が高い高尿酸血症の方に起こる発作で、過剰な尿酸が結晶化して足指の関節などにたまって炎症を起こしています。激しい痛みを起こしますが、数日で痛みはピークを迎え、それから少しずつ痛みが解消していきます。尿酸値を低くコントロールして血中の尿酸結晶を溶かさないと何度も痛風発作を繰り返すことがあり、腎臓や尿路の結石、心臓病などの合併症を起こす可能性があるため、痛風発作を起こしたことがなくても、高尿酸血症の場合には適切な治療が必要です。尿酸は食品に含まれるプリン体が分解されて作られるため、プリン体が多く含まれる食品の過剰摂取を控え、水分をしっかり摂取することも重要です。

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